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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
江原道[カンウォンド]の東海岸に位置する港町・江陵
[カンヌン]は、古くから豆腐が美味しいことで有名です。江陵の中でも草堂洞[チョダンドン](
)を中心に豆腐専門店が軒を連ね、
「チョダン豆腐村」[チョダントゥブ マウル](
)を形成しています。
そもそも豆腐は、茹でた大豆をすりつぶして液体(豆乳)を絞り取り、そこににがりを加えて凝固させた食べ物です。にがりとは、海水から食塩を作る際、海水を濃縮する過程で結晶化した塩化ナトリウムを取り除いたあとに残った液体のこと。主成分が塩化マグネシウムで、ほかに塩化カルシウム、塩化カリウムなどが微量に含まれます。
にがりは文字どおり苦味が強いため、豆腐作りにおいてはどのようなにがりを使うかが味に大きく影響します。江陵の豆腐は、にがりの代わりに東海(トンヘ)の海洋深層水を使っている点が特徴です。東海の海洋深層水はマグネシウムとカルシウムの含有量が多いため、未濃縮でも豆腐の凝固が十分可能で、まろやかな味の豆腐になると言われています。
■ 江陵の豆腐料理
江陵では次のような豆腐料理が名物です。その日に作られたできたての豆腐は、自然の甘さと豆の風味が漂う格別のおいしさです。
・スンドゥブ(
)
凝固したまま未成型の豆腐。日本では「おぼろ豆腐」「汲み豆腐」などと呼ばれます。
凝固したての温かいスンドゥブを汲み上げてそのまま提供するので、ナチュラルな風味を楽しみながら卓上で少しずつヤンニョムジャン(薬味醤油)をかけていただきます。
白いスンドゥブとご飯、テンジャンクッ(
:韓国味噌汁)、
ミッパンチャン(
:基本のおかず)と呼ばれるキムチなど数種類の常備菜を組み合わせた「スンドゥブ ペッパン」(
)という定食スタイルでも提供されます。
・スンドゥブチゲ(
)
スンドゥブをピリ辛スープで仕立てた鍋料理。トゥッペギ(チゲ用の土鍋)などに油をひいてひき肉(牛・豚など)、キムチ、粉唐辛子、にんにくを炒め、だし汁を注いで煮ます。あさりなどの貝類、スンドゥブ、刻んだ生唐辛子、葱を入れて煮た後、醤油や魚醤で味を調え、卵を落として仕上げます。エホバッ(韓国かぼちゃ)、きのこ、玉葱などを入れることもあります。江陵では東海でとれる「チェボッ」(
)という貝を入れたチェボッスンドゥブチゲ(
)が名物です。
・モドゥブ(
)
しっかりとした硬めの木綿豆腐。大きいまま、
あるいは厚さ1pくらいにスライスして提供されます。モ(
)とは角(かど)を意味するため、「四角く角のある豆腐」といったニュアンスがあります。
モドゥブにはヤンニョムカンジャン(薬味醤油)や味の濃いミッパンチャン数種が一緒に提供されるため、それらとともにいただきます。
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