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韓国の食文化について、伝統から現代の習慣・行事にいたるまで、1テーマずつ読み解いていきます。
全羅北道[チョルラプット]の全州[チョンジュ]は、豊かな穀倉地帯に加えて山海の幸に恵まれたことを背景に、かつて両班[ヤンバン](高麗時代〜李氏朝鮮王朝時代にかけて存在した上層階級)の屋敷において、豊かで実質的な家庭料理「班家飲食[パンガウムシッ]」が成熟していった流れを汲む、朝鮮半島屈指の「食の都」として有名です。
数ある全州の郷土料理の中でも、
色とりどりのナムルをご飯に載せた全州ピビンパ(
)は、その華やかさと味わい深さで近年、韓国内外に広く知れ渡るところとなりました。
そもそもピビンパ(
)とは、
ご飯の上に数種類のナムル(
:野菜や山菜などの和えもの)を載せた丼状の料理で、
韓国全土的に食べられてきた極めてポピュラーな家庭料理です。ピビン(
)は「混ぜる」、
パプ(
)は「ご飯」を意味するとおり、食べる前にスプーンで全体をまんべんなく混ぜて、各種ナムルとご飯、薬味調味料が渾然一体となった複合の美味しさを味わうのが身上です。
ピビンパに載っているナムルとしては、豆もやし、にんじん、わらび、ほうれん草、海苔などが一般的です。
一方、全州ピビンパといえば、
それらのナムル以外にも緑豆もやし、エホバッ(
:韓国かぼちゃ)、
きゅうり、大根、トラジ(
:桔梗の根)
、きのこ、芹、ファンポムッ(
:緑豆澱粉を煮固めた葛餅状の食品)、ユッケ(
:牛生肉の薬味和え)または牛そぼろ、
錦糸卵、銀杏、松の実、薬味コチュジャンなどが載っています。そのため、一般のピビンパに比べて、見た目も味も極めて多彩でとても豪華な一品となっているのが特徴です。
また、
一般のピビンパにはミヨックッ(
:わかめスープ)がセットでつくのが定番ですが、
全州ピビンパにはコンナムルクッ(
:豆もやしスープ)がつくというのも特徴的です。全州は古くから、豆もやしの名産地でもあったためです。
■ 石焼きピビンパ
全州ピビンパのもう一つのスタイルとして、近年、石鍋にピビンパを盛りつけて加熱した「石焼きピビンパ」(トルソッピビンパ:
)が有名になりました。全州は石鍋の原材料である角閃石の産地でもあります。
石焼きピビンパは、ソウルに進出した全州料理専門店のメニューとして売り出された後、1980年代ごろから徐々に人々に注目され始め、マスコミの影響もあって短期間に広まっていきました。日本でも石焼きピビンパを提供する韓国料理店が一気に増え、石鍋も広く流通するようになったことは周知のとおりです。
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全州ピビンパ
シッケ
ペチュギムチ
チャンジョリム
豆(コン)
サリミョン
高麗人蔘
チャンアチ
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干し野菜(コンチェソ)
乾燥わかめ(コンミヨッ)
塩辛(チョッカル)
イシモチ(チョギ)
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